| | | |
| | IDカードと環境 | |
| | | |
| カード業界におきましても最近は「エコロジー」という言葉が多用されることが多くなってきました。
一つには私たちの生活に「エコロジー」が身近なテーマとなってきたこと。 「ゴミの問題」、「リサイクルの問題」、「環境汚染の問題」等、さまざまなテーマに渡ることもあり、
日常会話の話題になることも少なくありません。 また、「IDカード」などの「プラスチックカード」を使用しておられる公官庁様、病院様をはじめと
する多くのお会社(企業体)様が、それぞれの分野でのリーディングカンパニー、あるいはトップ ランナーであることも大きな理由となっているように思われます。
真摯に企業努力を積み重ねておられる各企業体様の日頃の姿勢から致しますとが「他に先 駆けて取り組みしよう」ということも至極当然のことと思われます。
私ども「カード」を生業としているものの一人として、こうしたお客様よりのご要望に的確にお応え できるよう、常に最新の情報を把握していくことに努めていく必要を感じております。 皆様よりのお尋ねも多くなっております。ご参考になればと思い、現況をご報告いたします。 |
| | | |
| | (2002.07.01現在) | |
| | | |
| 1)PVCカードについて(通称「塩ビカード」と呼ばれています)
現在、もっとも使用されているプラスチックカードの素材は、PVC(ポリ塩化ビニール樹脂)を 使用しています。 加工がしやすく、耐久性もあることから、上下水道等のパイプや建材や医療基材、生鮮食品
の包装など、生活の身近なところで、多く利用されています。 もちろん、カードプリンタとの印字適性もある為、「プラスチックカード=塩ビカード」として定着
してきました。 しかしながら、カードの組成に塩素が含まれていることから、焼却の際に塩素ガスが発生し、 「有害なダイオキシンが発生する」とのことで、「PVCに代わる素材」への転換が求められて
きています。 <化学式では (CH2CHCl)n で示されます/炭素・水素・塩素で構成> 現状では、「代替素材」への切替えが進む一方では、「ダイオキシンの発生」についての研究
も進み、「塩ビのみを元凶とする」論調も収まってきています。 |
| | <参考> 塩ビ工業・環境協会のホームページもご覧ください。 | |
| |
市民のための環境学ガイドもご参考にどうぞ | |
| | | |
| | | |
| |
2)PET-Gカードについて | |
従来のプラスチックカード PVC(塩化ビニール)製カードの代替素材として、最も注目されて
います。 塩素を含まない組成となっており、その他の組成はPVCに準じています。 |
| |
PET−G・・・PETはポリエチレンテレフタレート、Gはグリコールを表します。 完全燃焼した場合、水と二酸化炭素に分解されるため、有害物質を発生しません。
米国イーストマンケミカル社が製造・供給する基材をもとに作成されています。 ドリンク容器のPETボトルと同じ素材ですが、カードとして使用される場合には、エンボス加工
(カードナンバー等の浮き出し文字加工)など、固有の加工適性が付加されます。 また、カードプリンタを使用して印刷する場合には、印字適性を向上させる為、受像層と呼ば
れるリボンの定着をより良くするような加工が加わります。 両面を印刷する場合には、受像層が表裏に、片面印刷をする場合には、片面に塗工され
ます。 機械的な強度や耐薬品性など、ISO規格に準拠したカードを弊社からも提供しております。 | |
| | | |
| | | |
| | | |
| | | |
| | 3)生分解性カードについて | |
| |
通常のプラスチック製品と同じように使えて、しかも使用後は、自然界の微生物や分解酵素 によって水と二酸化炭素に分解されて行く、“自然に還る”プラスチックです。
このため、廃棄物の処理に際しても、地中への埋め立てが可能で、燃焼させても発生熱量 が低くダイオキシン等の有害物質が放出されることもありません。
プラスチックカードとしても使用されることが期待されています。 現在は、プレ印刷カード(あらかじめ印刷機を使用して印刷したカード)として、少しづつ利用
されるようになってきました。 「とうもろこし」を素材として使用したものなどさまざまなものが発表されています。 ただし、カードプリンタでの印刷等には、まだ使用されてはいません。
印字適性(リボンの定着性)などの問題点がクリアされていくことで、やがて広く利用される ものと思います。 もちろん、カードプリンタをお使いにならないご用途では、使用されておりますが、まだまだ
カードの耐久性等の点でクリアすべき課題も多く、十分な実用レベルには、今少し時間が かかりそうな状況です 。 | |
| | | |
| | | |
| | <参考>生分解性プラスチック研究会ホームページもご覧ください。 | |
| | 新エネルギー・産業技術総合開発機構のホームページ | |
| | | |
| | | |
| | 4)ポリオレフィン製カードケースについて | |
| |
カードケースについても塩ビを使用したものが一般的でした。 しかしながら、本ページのテーマでもあります「環境問題への関心の高まり」から、「脱塩ビ」が
求められております。 現在弊社では、「塩ビ」素材に代わる「ポリオレフィン」製のカードケースをご提供しております。 ポリオレフィンという言葉は、聞きなれないと思いますが、一般には「ビニール袋」、「ポリ袋」
と総称されています。 ゴミ袋やお買い物袋、洗剤容器などの「ポリエチレン」、パンやお菓子の袋、洗濯機の洗濯 槽などに使用されている「ポリプロピレン」を総称してポリオレフィンと呼んでいます。
「塩ビ」(ビニールとも呼ばれています)は、石油(ナフサ)と食塩から生成されますが、「ポリオ レフィン」の場合には石油から生成されています。
※ PET-Gカードの項でもご紹介いたしましたように、塩素が含まれていません <オレフィン系の素材の化学式は、いずれも CnH2n で表されます。>
・・・名前が変わっても組成は同じということです。
<弊社カードケースの特長>
1)弊社のおすすめしているカードケースの場合は、「クレジットカードサイズ<JISU型> 86mm×54mm」を対象に企画をしておりますので、「名刺サイズ 91mm×55mm」を
対象とした市販製品に比べて、コンパクトなサイズとなっています。 2)カードプリンタにて印刷をした「カード」のご利用を想定しています。
「印刷したカードがケースに裏写りをするトラブル」を防止する加工をしています。 | |
| | | |
| | | |
| | <参考>日本ポリオレフィンフィルム工業組合のページもご覧ください。 | |
| | | |
| | | |
| | | |
| | | |